ゆめ風車1階に展示のストリートオルガン
オランダの町の風景になくてはならないものの一つにストリートオルガン (街頭手回しオルガン) があります。ストリートオルガンは、1880年頃フランスで開発され、ヨーロッパ各国で相当数使われていましたが、1920年頃までを全盛に次第に数が減りました。ストリートオルガンがオランダに多く残っているのは、アムステルダムのベルリー家がオルガンの修復、製作に努力したためと言われています。現在、そのオランダにおいても約100台程度しかなく大変貴重なものとなっています。
周南市は、姉妹都市デルフザイル市(現エームスデルタ市)の協力を受け、数少ないストリートオルガン製作者のH.ヴーェニンゲン氏に依頼して、特別注文のストリートオルガン「しんなんよう」を平成7年に購入しました。このストリートオルガン「しんなんよう」は、台車に乗っており、重量が600kg、本体の高さが2.8m、パネルの幅が3.2mの中型のものです。楽譜は「さくらさくら」など日本の曲、5曲を含め、オランダの曲など20曲あります。
ストリートオルガンは、自動演奏楽器であり、教会やダンスホールに置かれた自動パイプオルガンの仲間です。移動が可能で、街頭で演奏したためにストリート(通り)のオルガンと呼ばれるようになりました。
演奏は、オルガンの後側に鋳物のハンドルを付け、これを手で回すことにより、「ふいご」で空気をため、同時に折りたたみ式の楽譜を移動させます。曲に従って穴のあけられている楽譜は、各パイプなどの楽器につながるキー(オルガンの鍵盤に相当するもの)を作動させ、「ふいご」からの空気を送り演奏します。
電気などによる無機質な音色が多くなった今日、何か温かみを感じさせてくれるストリートオルガンの音色は、何故か私たちの郷愁を誘います。